マーク竹田こどもクリニック
ポリオワクチンに関して-2
2010/09/19更新

【院長による補足と見解】
 経口生ポリオワクチン(OPV)接種を受けた児200万人に1人、その家族など400万人に1人がワクチンウイルスによる麻痺を発症するとされています。

 経口生ポリオワクチン(OPV)を使用する限り今回のような症例の発生は続くと考えられています。
(”紛れ込み*”である可能性は100%の排除はできませんが)
*紛れ込みとは、他の原因で健康被害が発生したが、ワクチン接種後であったためにワクチンの副作用であると見誤ってしまうこと。

 では、ポリオワクチンを受けさせなければ良いのでしょうか? いや、そうではありません。受ける必要があります。

 今年の2月には神戸市から「ポリオワクチンを受けていない9ヶ月児が、ワクチン由来のポリオウイルスによるポリオを発症した」ことが報告されています。

 野生ポリオウイルス(ワクチン由来でないウイルス)による発症は、日本では1981年以降はありません。

 野生ポリオの発生のない国では、副作用としてポリオ発生の可能性が全くない注射不活化ポリオワクチン(IPV)に変更すべきとされています。

 日本でも、国産の注射不活化ポリオワクチン(三種混合と不活化ポリオの混合ワクチン)の開発はすすんでいますが、申請するまでには至っていません。
 外国製の不活化ポリオと日本製の三種混合との混合ワクチンは、申請したと聞いたことがありますが、認可はまだのようです。

 一部の小児科医は、外国製の注射不活化ポリオワクチンを個人輸入して有料で接種しています。

 注射不活化ポリオワクチン(IPV)は、硬結・疼痛などの副作用は他の予防注射同様にありますが、麻痺などの重篤な副作用はありません。
 ただし、4回の接種が必要です(アメリカでの標準的な接種方法は、1回目:生後2ヶ月、2回目:生後4ヶ月、生後6ヶ月から1歳6ヶ月の間に3回目、4〜6歳に4回目の計4回投与です。生ワクチンを1回接種した後にIPVを希望される場合はIPVを3回接種)。
 生ワクチンに比べると、桁違いに高価です。

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