主に1歳6ヶ月までの乳児がかかります。2〜3日高熱が続き、熱が下がる頃に発疹が出現する病気です。一般に予後は良好です。 |
▲原因▲ 大人の唾液中にあるヒトヘルペスウイルス6が、赤ちゃんに感染しておこるとされています。生後初めての発熱の多くが突発性発疹です。潜伏期は7〜14日です。 |
▲症状▲ 突然に38〜39℃の高熱を出します。咳や鼻水はないことが多く、高熱の割には機嫌はあまり悪くなりません。熱は2〜3日続き、下がる頃に顔や胸・腹に発疹がでます。 発疹は始めは汗疹(あせも)のようなものですが、しだいに赤みがべったりと広がります。2〜3日後にはほとんど跡を残さずきれいに消えます。熱が下がって発疹のある時の方が機嫌が悪くなります。 |
▲合併症▲ 高熱の為に熱性けいれんを起こすことがあります。けいれんは普通3分以内におさまります。10分以上続いたり・ 24時間以内に繰り返し起こしたりする場合はすぐに受診してください。熱性けいれんの起こし易さは遺伝します。日頃から心構えをしておきましょう。 ウンチが軟らかくなることがあります。こまめにオムツを取り替え、できればお尻を石けんとお湯で洗ってあげましょう。 まれに脳炎、脳症など重篤な合併症をおこした報告もあります。 |
▲治療▲ 突発性発疹であれば特に治療は必要ありません。 |
▲家での注意▲ 熱がある時や下痢をしている時は、水分をやや多めに。発疹があっても熱が下がって元気ならお風呂にいれてあげましょう。 |
▲予防▲ 予防法はありません。2回かかったという子どももいますが、これはヒトヘルペスウイルス7というウイルスの感染によっても突発性発疹の症状が出ることがあるからと考えられています。 |
文責:竹田 弘(第3版2002.06.09)パンフ1の最初へ |
▲原因▲ 水ぼうそうウイルスによっておこる伝染病です。 発疹がでる2〜3日前からすべてがかさぶたになるまで感染力があります。ウイルスが体に入ってから症状が出るまでの期間は約2週間です。 |
▲症状▲ まず赤い小さな発疹が体にポツポツと出てきます。発疹は盛り上がり中に水をもち、最後にはかさぶたとなります。数日間にわたり新しい発疹が次々とでてきます。頭皮や口の中、外陰部にもできます。発疹はかなりのかゆみがあります。熱は出ないこともあります。 友達からうつった時より兄弟からの方が、発疹の数が多くなるのが普通です。 |
▲合併症▲ 免疫力が非常に低下します。水疱のかき傷から細菌感染をおこしたり、まれに肺炎や脳炎・髄膜炎をおこすことがあります。 |
▲治療▲ みずぼうそうを軽くする飲み薬(ゾビラックスやアストリックなど)があります。朝・昼・夕刻・寝る前の1日4回服用してください。このお薬は喘息治療薬のテオフィリン(テオドールやテオロング)などの血中濃度を上昇させますので、他の薬との併用には医師・薬剤師の注意・指示が必要です。 痒みに対しては、処方された白いぬり薬(フェノール亜鉛華リニメント…通称カチリ)を1日1〜2回、水疱に乗せるようにつけてください。眼には入らないようにし、刺激感が強すぎる場合は使用を中止してください。 |
▲家での注意▲ 高熱がなくかゆみも軽ければ、お風呂でさっと汗を流してあげてください。2〜3日たっても熱や咳がある場合や、頭痛や嘔吐がひどい場合はもう一度受診してください。 他人にうつりますので登校(登園)できません。すべてがかさぶたになり赤みがなくなれば、もう一度来院してください。 みずぼうそうには、鎮痛解熱剤にアスピリンは使用しないでください。当院で処方しているカロナールやアンヒバ坐薬はかまいません。 |
▲予防▲ 任意の予防注射があり1才以降なら受けることができます。感染後でも3日以内なら有効と言われています。当院でおこなっています。 |
▲参考▲ 水ぼうそうウイルスは体内に潜み、帯状疱疹の原因ともなります。帯状疱疹は、水ぼうそうとしての感染力があります。 |
文責:竹田 弘(第4版2003.10.12)パンフ1の最初へ |
《原因》 ムンプス(おたふくかぜ)ウイルスによっておこります。幼児期から学童期に発症することが多いですが、成人におこることもあります。 潜伏期は2〜3週間です。感染期間は発症前7日から発症約9日後までです。 |
《症状》 *まず耳の付け根部分を痛がります。そのうちに耳の下後から前にかけてはれてきます。数日たってもう片方がはれることもあります。熱は出ることも出ないこともあります。1〜2週間ではれはおさまって治ります。 *顎下腺といってアゴの下がはれることもあります。 *感染しても発症しないこともあります(不顕性感染)。 |
《合併症》 *脳炎・髄膜炎:約10%に起こります。頭痛や嘔吐がある場合は来院してください。 *膵炎:まれにおこります。腹痛のひどい場合は来院してください。 *睾丸炎・卵巣炎:成人におこり、不妊症の原因ともなります。 |
《受診》 バイ菌や他のウイルスによって耳下腺やリンパ節がはれても同じような症状がでます。耳の下がはれたり痛がったりした場合は、受診してください。 頭痛や嘔吐がひどい場合は再度受診してください。 |
《家での注意》 初めの2〜3日はかなり痛みます。痛みのひどいときはぬれタオルや冷湿布で冷やしてあげると、痛みは和らぎます。ひどいときは鎮痛剤をのませてください。 唾液が出るとより痛みます。食事は、酸味の強いものをさけてやわらかく消化のよいものを与えて下さい。 はれのひくまでは、うつしますので他の子と遊んだり登校登園は避けてください。 *学校伝染病ですのではれがひいたら、もう一度来院してください。 |
《予防》 任意の予防注射があります。1歳以降なら受けることができます。 |
文責:竹田 弘(2001.07.08改変) パンフ1の最初へ |
主に小児から思春期にかかる病気ですが、以前にかかっていなければ、大人でもかかります。時に大流行があります。 |
《原因》風疹ウイルスによっておこります。飛沫感染をします。 |
《症状》 *発疹は、胸、顔から始まり1日位で全身に広がり、3〜5日でなくなります。かゆみがあります。発疹の出る前後に発熱をすることがありますが、約半数は無熱です。耳の後ろ、後頭部、頚のリンパ節が腫れます。関節の痛みを訴えることもあります。大人はより重症になります。 *潜伏期(感染してから症状の出るまでの期間)は2〜3週間です。 |
《合併症》 *ときに脳脊髄膜炎、紫斑病などがおこることがあります。 *妊娠している婦人がかかりますと、白内障・心疾患・難聴などの奇形児が生まれることがあります。 |
《家での注意》 *食事は普通でかまいません。熱がなく元気がよくても最初の3日間は風呂に入れないで、安静にさせて下さい。関節の痛みは安静にしていると大体3日位で自然に治ります。 *学校へは発疹が完全に消えてからしか行く事ができません。(学校伝染病ですのでよくなったら健康手帳などを持って来院してください) *頭痛・嘔吐があったり、けいれんや意識がおかしかったり、出血傾向があったりしたら来院してください。 |
《予防》 *1度かかると風疹には2度とかかりません(例外はあります)。以前にかかったかどうか、血液の検査で調べることかできます。 *予防には麻しん風しん混合ワクチンがあります。1回目は1歳になったらすぐに接種し、2回目を小学校入学の前年に接種します。 |
文責:竹田 弘(第2版2006.04.01) パンフ1の最初へ |
かかると大変重症になりやすい病気です。日本でも年間に何十人かが麻疹がもとで死亡しています。 |
《原因》 麻疹ウイルスによっておこります。飛沫感染をします。 |
《症状》潜伏期(かかってから症状のでるまでの期間)は10〜12日です。 鼻汁、喉の痛み、目ヤニなどのかぜの症状があり、熱が3〜4日間でて、いったん下がりかけ、再び熱が上がると共に発疹がでます。発疹は耳の後ろから始まり、1日で全身に広がります。熱は高く39〜40度が続きます。4〜5日間で発疹もさめ黒ずんで、熱も下がります。結膜炎も起こりますので、まぶしがります。 |
《合併症》 ※ 肺炎:割りと高率に起こります。発疹が黒ずんでも熱が続くとか、咳がひどく呼吸が速くなったら、早めに来院して下さい。 ※ 中耳炎:耳を痛がったり、熱が続くようであれば、来院して下さい。 ※ 結膜炎:目を痛がって開かないようであれば来院して下さい。 ※ 脳炎:頭痛や嘔吐があったり、意識が段々消えていくような時は、すぐに連絡して下さい。 非常にまれですが(10万人に1人)、数年たってから脳炎(SSPE)になることがあります。 |
《家での注意》 寒い季節は部屋を暖かくして、暑い季節は風通しのよい部屋で涼しくさせて、静かにねかせておきます。熱のあるときは、水枕や氷枕で冷やしてあげてください。水分は十分に与え(スポーツ飲料もよいでしょう)、食べ物は消化の良いものをあたえて下さい。 |
《予防》 1度かかると麻疹には2度とかかりません。予防には麻しん風しん混合ワクチンがあります。1回目を1歳なったらすぐに接種し、2回目を小学校入学の前年に接種します。 麻疹ワクチンを受けていない子供が麻疹の子供に接触した場合、2日以内なら麻しん予防注射を、5日以内ならガンマ・グロブリンという注射をすると症状を軽くすることができます。 |
文責:竹田 弘(第2版2006.04.01) パンフ1の最初へ |
《原因》 A群の溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)という細菌が、のどについておこる伝染病です。 |
《症状》 潜伏期(感染してから症状の出るまでの期間)は2〜3日です。 ※発熱:高い熱は2〜3日。大体1週間くらいで下がります。 ※扁桃腺や咽頭(のど)が、赤く腫れ炎症をおこします。 ※いちご舌:舌がいちごのように赤くブツブツしてきます。 ※発疹:体(特にわきの下、ソケイ部、おしり)や口の周りを除く顔面 に、赤い細かいブツブツが出ることがあり、この場合を“しょうこ う熱”と言います。普通は3才過ぎから見られます。1週間位たって手足の皮がむけることがもあります。 |
《合併症》 以上の症状がおさまってから、腎炎やリウマチ熱がおきる事があります。 |
《家での注意》 ※1週間くらいは人にうつるので、集団生活はさけて下さい。(適切な薬を服用すると期間は短縮されます) ※兄弟や姉妹がいる場合は、予防投薬をする場合もあります。 ※内服薬を10日から2週間きちんと続けると合併症の率が下がります。7日未満では再排菌の可能性があります。 ※治ってしばらくして、尿の出が悪くなったり、むくんだりしたら至急来院してください。 |
《予防》 1回かかっても、又かかることのある病気で、予防注射はありません。 |
文責:竹田 弘(第2版2006.04.01) パンフ1の最初へ |
▲原因▲ 虫さされや湿疹をひっかいたりして黄色ブドウ球菌が皮膚に感染することによっておこる主に幼小児の病気です。皮膚の他の部位につぎつぎと広がって行くところからとびひと呼ばれます。一般に夏に高温多湿の環境で起こります。 |
▲症状▲ 皮膚に水ぶくれが生じます。水疱は容易に破けて赤むけとなり、ふちから拡大したり、周辺に新しい病変ができたり、他の部位にとびひ したりします。 かさぶたを主症状とするとびひもあり、熱がでることもあります。 |
▲治療▲ 抗生剤軟膏を塗布するだけではなかなか治りません。適切な飲み薬の抗生剤を3〜5日程度服用する必要があります。 ブドウ球菌は抗生物質に耐性(抗生物質が効かなくなること)となりやすい為、原則として患部の細菌を検査し抗生物質の感受性 (どの抗生物質が適切か)を検査します。 |
▲家での注意▲ *水ぶくれをつぶしたり、赤むけを手で いじらないように。 *石ケンで患部をやさしく洗い、シャワーでよく流して清潔に保ちましょう。患部が乾燥するまでは浴槽につかることは避けてください。 *処方された軟膏を厚めに塗布し、ガーゼや包帯などで保護して、他の部位や他人ににじみ出た汁がつかないように心掛けましょう。 *とびひが治るまではプールは禁止です。 *程度にもよりますが、通学・通園そのものは差し支えないでしょう。ただしにじみ出た汁が感染力を持っていることに注意してください。 *黄色ブドウ球菌は食中毒の原因ともなります。この菌が食品の中で増殖し産生した毒素を食べると、数時間で下痢や腹痛・嘔吐となります。加熱により菌は死にますが毒素は死にません。 |
▲予防▲ 予防注射はありません。日頃の入浴やシャワーで皮膚を清潔にしておくことと、かゆみの治療をすることがとびひの予防となります。 |
文責:竹田 弘(第3版2002.06.14)パンフ1の最初へ |
▲原因▲ コクサッキーA群やエンテロウイルス71などのウイルスの感染による病気です。春から夏にかけて流行します。乳幼児に多いのですが学童や成人もかかることがあります。 |
▲症状▲ その名のとおり手のひらや足の裏・口の中に小さな水疱ができます。熱は出ることもありますが、2/3の人は熱が出ません。だいたい3〜5日間で治ります。 潜伏期(感染してから症状の出るまでの期間)は3日前後です。 感染力がもっとも強いのは症状のある期間で、飛沫感染をします。症状がおさまってからも2〜4週間 便中にウイルスが排泄されます。 よく似た病気にはヘルパンギーナがあります。「はじめの診断はヘルパンギーナ。あとから手足口病に訂正」なんてこともあります。 |
▲合併症▲ まれですが脳炎などによる急死の報告もあります。エンテロウイルス71による手足口病に多いとされています。 |
▲治療▲ 対症療法(症状を和らげる治療)しかありません。 |
▲家での注意▲ 熱もなく 食欲もあり 元気であれば、他人への感染を心配して出席を停止さす必要はありません。ただし、体の中にウイルスが侵入しているわけですから、無理はいけません。熱があるときや痛みが強い時は、家庭で体を休めてください。 急死例の多いエンテロウイルス71による手足口病が流行したときは、「しばらく家庭でいるように」などと指導を変える可能性はあります。 元気がない、、頭痛・嘔吐を伴う、発熱が2日以上続くなどの症状がある場合はもう一度来院してください。 |
▲予防▲ 今のところ予防注射はありません。原因ウイルスは数種類ありますので数回かかることがあります。 |
文責:竹田 弘(第3版2002.06.06)パンフ1の最初へ |
▲原因▲ コクサッキーA群などのウイルスの感染による病気です。春から夏にかけて乳幼児に流行します。 |
▲症状▲ 突然38〜40度の高熱が1〜3日間続きます。のどの痛み、だるさ、食欲不振があります。よだれが多くなり食欲があってものどの痛みのために食べられないこともあります。のど(口蓋から口蓋帆にかけて)にちいさな水疱・潰瘍・発赤がみられます。 下痢や嘔吐などの胃腸症状がみられることもあります。 だいたい4〜6日間で治ります。 潜伏期(感染してから症状の出るまでの期間)は3日前後です。 感染力がもっとも強いのは症状のある期間で、飛沫感染をします。症状がおさまってからも2〜4週間 便中にウイルスが排泄されます。 よく似た病気には手足口病やアフタ性口内炎・ヘルペスウイルスによる歯肉口内炎膜炎などがあります。 |
▲合併症▲ 髄膜炎や急性心筋炎の報告もありますがまれです。 |
▲治療▲ 対症療法(症状を和らげる治療)しかありません。ただし細菌感染が否定できない時は、抗生物質をさしあげることもあります。 |
▲家での注意▲ 水分が十分にとれないようだと、点滴をしたほうが良いことがありますので、来院してください。 嘔吐が頻回、意識がおかしい、呼吸や脈が速いなどの症状がある場合も来院してください。 発熱時や口の中の痛みが強い時は家庭で 体を休めてください。他人への感染を心配して出席を停止さす必要はありません(症状のある期間だけ出席を停止させても流行はおさまりません)。 |
▲予防▲ 今のところ予防注射はありません。原因ウイルスは数種類ありますので数回かかることがあります。 |
文責:竹田 弘(第3版2002.06.06)パンフ1の最初へ |
かぜ症状の1〜2週間後に、ほおに境界鮮明な紅斑が出現する病気です。かぜ症状の時に診断をつけることは困難で、ほおに紅斑が出て初めて診断がつく病気です。健康な小児がかかっても特に問題がありません。 |
《原因》 ヒト・パルボ・ウイルスB19の感染による病気です。 |
《症状》 *かぜ症状:発熱・咽頭痛・筋肉痛などの症状が数日間みられます。 *発疹:かぜ症状の1〜2週間後に、ほおに境界鮮明な紅斑がでます。四肢にはモヤモヤとした発疹が出て、痒みを伴うこともあります。紅斑は1週間程度でなくなりますが、日光や入浴などの刺激で再出現することもあります。 *関節炎症状:大人では関節痛がでたり、顔がむくんだりすることもあります。 *潜伏期(ウイルスが体に入ってから症状の出るまでの期間)は、かぜ症状までが1週間前後で、 発疹出現までが2〜3週間です。 |
《合併症》 *赤血球や白血球・血小板などが一時的に作られなくなります。 *脳炎の報告もありますが、まれです。 *妊婦が本症に罹患すると流産や胎児水腫といった奇形児を引き起こすことがあります。 |
《家での注意》 *感染力が一番強いのはかぜ症状の頃です。ほおに紅斑がでた時には、感染力は非常に弱まっているので、登校(園)は体調がよければ良いでしょう。ただし妊婦さんには接触しないでください。 *発疹の痒みがひどい場合は、痒み止めを飲ませて下さい。 *嘔吐が頻回、意識がおかしいなどの症状がある場合は来院してください。 |
《予防》 今のところ予防注射はありません。 |
文責:竹田 弘 第3版(2006.04.01) パンフ1の最初へ |
主として夏から初秋に学童に流行するのでプール熱ともいわれます。発熱、咽頭炎、結膜炎が特徴です。 |
《原因》 アデノウイルス3型などのウイルスの感染による病気です。 |
《症状》 *発病すると39〜40℃の高熱が3〜7日間続きます。 *のどの痛みや悪心・頭痛、腹痛・下痢などの症状に加え、目を痛がったり・かゆがったり・まぶしがったりする結膜炎症状がみられます。 *首のリンパ節が腫れたり、全身に麻疹様の発疹がでることもあります。 *だいたい5〜7日間で治ります。 *潜伏期(感染してから症状の出るまでの期間)は5〜7日前後です。 |
《合併症》 とくにありません。 |
《家での注意》 *対症療法(症状をおさえる治療)しかありません。 *学校伝染病第2類に指定されていますので症状がなくなっても 2日間は登校(登園)できません。 |
《予防》 今のところ予防注射はありません。 |
文責:竹田 弘 (04/91) パンフ1の最初へ |
感染や過労・精神的緊張などを誘因として嘔吐をくりかえす病気です。 自家中毒症とかアセトン血性嘔吐症とも呼ばれます。 |
《原因》 原因は不明な点が多いのですが、結果として脂肪の代謝が亢進して血中や尿中にケトン体が増加するために嘔吐します。 |
《好発年令》 *2〜10才とくに6才以下のやせ型で神経質な児に多いようです。 *小学校高学年 遅くとも思春期になれば自然に治ります。 |
《症状》 *嘔吐は突然に始まり、数日間続きます。 *食欲不振、倦怠感を訴え、呼気が臭くなることもあります。 *この病名についている「周期性」とは、たんに「繰り返す」ということで周期的に発症するということではありません(病名が不適切と思います)。 *発症の回数はほとんどが年3〜4回以内です。 |
《家での注意》 *急性胃腸炎、ケトン血性低血糖症、食事アレルギー、髄膜炎、頭部打撲や中毒などの病気でも同様の症状を示しますので、素人判断は禁物です。 *精神的緊張を和らげ、安静にしてあげてください。 *吐き気止めの坐薬(ナウゼリン)をさしあげますので、吐き気が強いようでしたら6〜8時間以上の間隔をあけて使用して下さい。 *水分投与は少量頻回に *食事も、脂肪を制限して糖質を主体としたものを少量頻回に *嘔吐が続くようでしたら、点滴が必要なこともありますので受診してください。 |
《予防》 *小児は精神的に不安定になると身体症状として消化器症状を示すことがあります。 *子供も1人の人間です。過保護・過干渉にならないように。 *規則正しい日常生活と心身の鍛練が大切です。 |
文責:竹田 弘 (910401) パンフ1の最初へ |
ヒトに寄生するシラミには、頭部で生活し頭髪に卵を産み付けるアタマジラミ(大きさは2〜3mm)、衣類で覆われた部分に寄生し吸血時以外は衣類の袖などにひそみ衣類に卵を産み付けるコロモジラミ(大きさは2〜3mm)、蟹のような形をしていて陰毛・腋毛、子供のまつ毛・眉毛・頭髪などにつくケジラミ(大きさは1.2〜1.5mm)の3種があります。 | ||
アタマジラミの卵は約7日で孵化し、その後7〜16日で成虫になります。成虫の寿命は約1ヶ月で、1匹の雌は一生の間に約200個の卵を生みます。成虫も幼虫も1日数回吸血します。(右の写真のアタマジラミは、印が1mmですので、大きさは1.7mmぐらいでしょう) | ![]() |
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アタマジラミは跳ねたり飛んだりはできませんので、髪と髪が直接触れ合った時にのみ移ることができます。アタマジラミが髪につかまる力がなくなって椅子の背もたれなどに落ちている場合がありますが、こうしたアタマジラミはすでに他人の髪に這い上る力も卵を生む力もありません。(しかし、元気なアタマジラミを机の上に置いておくと、足を滑らせながら思いのほか移動します。) | ||
成虫も卵も水には強く通常のシャンプーでは死にませんが、少し傷つくだけで死んでしまいます。細かい櫛*1で髪を根元から丁寧にすくことが、アタマジラミに対するもっともよい防御方法です。アタマジラミは夜間に卵を生みますので特に入眠前に髪をとかすことが有効です。 | ||
飲んで効く薬はありません。薬局でスミスリンパウダー(定価1900円約4回分)もしくはスミスリンシャンプー(定価2800円位約4〜8回分、櫛付き)*2をお求めになり、使用法に従ってお使いください。そして細かい櫛で髪をすくことをお忘れなく。 | ||
卵は雌のアタマジラミによって毛髪の根本に近いところに産み付けられ、頭皮の暖かさにより孵化します。頭皮からある程度離れたところにある"卵に見えるもの"は、抜け殻(右写真)もしくは死んでいる卵ですので特に害はなく取る必要がありません。 | ![]() |
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*1 スミスリンシャンプーにはプラスチック製の櫛が付いています。「ハイコーム」というアタマジラミ専用の櫛も市販されています。 *2 スミスリンパウダー・シャンプーは、幼虫成虫には効果がありますが卵には効きません。従って3〜4日おきに3〜4回やる必要があります。以前はパウダーしか市販されておらず不評でしたが、先頃シャンプータイプが発売になりました。(でも高い!) |
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文責:竹田 弘 (第4版2007.06.10改訂) パンフ1の最初へ |
冬の始めに流行する嘔吐下痢症で、食中毒としても発生します。とくに、保育園、幼稚園などで発生した場合は、集団発生につながることがあります。 |
▲原因▲ 口からノロウイルスが入り、小腸粘膜で増殖することにより発症します。
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▲ 症状▲突然の嘔吐で始まり、半日から一日続きます(激しい嘔吐ははじめの3〜4時間)。ついで下痢が1〜3日続くこともありますが、下痢のない人の方が多いようです。発熱することもあります。潜伏期間(ウイルスが体に入って発症するまで)は、12〜48時間です。 |
▲治療▲ はじめの3〜4時間の激しい嘔吐に対しては、よい治療はありません。吐き気が遠のいてきたら、少しずつ水分と塩分をあたえてください。初期の水分としては「経口補塩水」(水500ml、塩:小さじ1/2、砂糖:大さじ1)がおすすめです。水分がとれるようになったらカロリーとして、まずおかゆをあげてください。(母乳栄養児は最初から母乳を与えてでかまいません) 嘔吐が続くと自家中毒症となることもあります。嘔吐が5〜6時間以上続き、ぐったりしてくるようであれば、点滴治療が必要になることもあります。 第3版のパンフレットでは、「東京都健康局のHPによると、これまでノロウイルスによる死亡例はありません。」と記載していましたが、第4版ではこの一文を削除しました。 |
▲家での注意▲
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▲家での注意▲
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▲食品を扱う施設での注意▲
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文責:竹田 弘 (第7版2006.12.05) パンフ1の最初へ |
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▲原因▲ ロタウイルスによって起こる胃腸炎で、患者さんの便の中に出てきたロタウイルスが、手やタオルなどを介して、口の中に入って感染します。ロタウイルスにより汚染された水や食物を飲食したり、おもちゃをしゃぶったりしても感染します。 開発途上国を中心に全世界で年間50万から60万の子どもが、ロタウイルスの下痢で命を落としています。 毎年、11月から4月までの冬に流行(ピークは1月から3月頃)します。生後6ヶ月から2歳までが 好発年齢ですが、成人や老人も発症することがあります。白色便性下痢症とか、仮性コレラとも呼ばれます。潜伏期間は約2日です。 |
▲ 症状▲水のようにサラサラした白っぽい下痢が約1週間ぐらい続きます。病初期には激しい嘔吐を伴うのが普通です。 咳や鼻水・熱を伴うこともあります。 2度かかることもありますが、2度目以降は重症にはならないことが普通です。 |
▲治療▲ 便もしくはおしりからの検査でロタウイルスによる下痢であるかが10分以内に診断できます。特効薬はありません。必要に応じて、吐き気止めや整腸剤・おしりかぶれに対する軟膏などを使用します。 |
▲家でのケアの仕方▲
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▲予防▲
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文責:竹田こどもクリニック竹田 弘 (第3版2007.03.27) パンフ1の最初へ |